汚し塗装のススメ②(フィルタリング編)

汚し塗装

ウェザリングしてみたい?

 ウェザリングとは英語だとweathering。自然の風雨や陽射しに晒され続けて風化や経年劣化、塗装剥がれ、サビなどを表現する塗装方法です。サクッと作ってキレイに塗装するのもいいですが、私はウェザリング(汚し塗装)が大好き!というか、キレイに塗装できないので必然的に汚し塗装仕上げ作品になるわけですw

 前回のチッピングも汚し表現ができますが、私はあくまで塗装の延長のつもり。今回から本格的に汚し塗装に入ります。今回はそのベースとなるフィルタリングについて解説していきます。

みんな大好きウェザリングカラー!!

その名の通り全体にフィルターをかける感じ

 ウォッシングと言ったりもするのかな、フィルタリングとウォッシングの違いは正直よくわかりませんw とにかく全体に同系統の色を薄くかけて、統一感を出しつつ、全体的な使用感を表現していきます。ガンダムだとトリコロールカラーで塗装しますが、青・赤・黄色がそれぞれパキッと鮮やかに見えるのもカッコいいけど、なんだか一つの機体としての存在感に欠けるというか、それぞれの色がバラバラに主張しているように見えたりしませんか?私だけ?

 そんな時に全体に薄く茶系の色でフィルターをかけてあげるとどうなるのかな?

それぞれの色が主張しながらも全体にまとまって見えません?

ウェザリングカラーは大発明品!

 早速やっていきましょう!瓶からそのまま塗っても使えます。が、私の場合は塗料を混ぜずに下に沈殿している塗料だけを掬いだして、塗料皿の上で専用の溶剤を混ぜながら自分の好きな濃度にして使ってます。

 そのまま塗ってティッシュやメラミンスポンジ等で拭き取るというやり方でも簡単にできますが、ちょっと色が強い気もするので、私は濃度を調節しつつ、足元は結構濃い目、上半身は薄め等の調整をしながらフィルターをかけていきます。

 キットには艶消しトップコートをしています。もともと食いつきが悪いので、艶消しで表面を荒らしておくとしっかりと着いてくれるし、乾燥が遅めなのでジンワリと広がってくれます。

 左足に塗りました。塗ったら専用溶剤をつけた綿棒で上から下に軽く拭いて色むらを作ったりします。そのままでもいいし、ちょっと表面に変化をつけてあげると表情が生まれますよ!あと私の場合はこの工程で墨入れも兼ねています。モールドにしっかり流してあげましょう! 

しっかり流し込んであげれば、ちゃんとモールドが活きてきます!

 キレイに塗装して、ピシッとスジボリが入っている作品には黒の墨入れがビシッと入っている方がカッコいいですが、実際そこまで黒くないよなぁ、という思いがありw 私は、茶系でフィルタリングと同時に墨入れもしているという感じ。

 塗っていないところと比べると一段暗くなっています。最初の塗装は明るめに。明るすぎるかな?くらいにしておくとフィルタリング後に程よい明度になる。仕上げから逆算して引き算で色を決める、と言われるのはこういうこと。

ビシャがけはやめよう!パーツ破損の恐れあり!

 ウェザリングカラーは油彩です。専用薄め液はエナメル同様石油系。プラを侵食します。溶剤はどれもプラを喰いますが、石油系は乾燥が遅いので、ジワ~っと広がってくれるメリットと共に、長時間プラを喰い続けるというデメリットもあります。ただ表面に塗っている分には言ってもすぐ乾くので大丈夫。でも関節部などに流れ込む(表面張力が低いのでどこまでも流れていくので要注意)とジワジワと侵食し、翌日にちょっと動かしてみたら関節割れた、なんてことが起こる可能性があります。心配ならパーツをばらして。私はそこまでするのが面倒なので外装パーツだけに塗るようにしています。

こういうところにビシャビシャ塗らない!!

茶系に限らず他の色でも、お好みに合わせてお使いください

 ウェザリングカラーには茶系だけでなく黒やグレーもあります。宇宙で戦ってたら泥砂の汚れはつかないよなって時にはグレー系でやってみるのがおススメです。

 なんとなく実際に使い込まれた機体って感じになったと思いませんか?成形色の上に艶消し吹いて、フィルタリングするだけでも雰囲気がグッと変わるので是非チャレンジしてみてください!

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